礼拝説教


2020/12/20-降誕祭礼拝-

「この世界は今、神に愛されている」

ヨハネによる福音書3:16〜17
牧師 古屋 治雄


◇街頭インタビューで「クリスマスを例年のように楽しく迎えられない」と言っている人がいた。私たちは、この世界を創られた神様が、全ての人のために救いを成し遂げてくださった神様の独り子をこの地上に誕生させてくださった出来事を、静かにそしてはっきりと今年多くの人々に伝えたい。

◇ある人たちはこのコロナ禍を神様がこの地上を裁くために送られたのだと言う。神様の支配を信じる私たちは災いも神様の御意志によるもので、それは地上に巻き起こっている罪に対する刑罰と受け止めるべきであろうか。ヨハネによる福音書は救い主がこの世界に来てくださったにも係わらず「暗闇は光を理解しなかった」(1:5)、また、「世は言によって成ったが、世は言を認めなかった」(1:10)と伝える。クリスマスの出来事は、こぞって神様のこの救いのご計画を拒否する世の力が渦巻いているなかで起こったのである。

◇今コロナに苦しんでいるこの世界は神様によって祝福され創造された世界である。創世記9:11以下で、神様は堕落した世界を洪水によって滅ぼされるが、そこからノアの家族を興し、二度と洪水によってこの世界が滅ぼされることはないと誓われた。ヨハネ3:17では「神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである」と神様ははっきり告げられる。

◇困難を運命論的に捉えて納得しようとする考えがしばしば生まれる。ヨハネ9:3で目が見えなくなった原因を過去に探す人々にイエス様は「神の業がその人に現れるためである」とはっきり言われた。さらに「わたしたちは、わたしをお遣わしになった方の業を、まだ日のあるうちに行わなければならない」と言われた。

◇「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」私たちは、神の裁きを受けているのではなく、この神の愛を新たに受けて今生かされている。この愛を受けて、救い主と共に御業のために仕えるクリスマス以後の歩みを為していこう。

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