2022/05/08 「神は霊によって働いてくださる」コリントの信徒への手紙一2:6~16 牧師 古屋 治雄

コリントの信徒への手紙一2:6~16
牧師 古屋 治雄

◇子どもは神様を知る知恵を授かっている。神 様の知恵を身をもって受けている。神様の知恵 は、大人になるために獲得した大人の知恵と違 い、むしろ対立する知恵と言わなければならな い。この知恵は「この世の知恵ではなく、また、 この世の滅びゆく支配者たちの知恵でもあり ません」(6 節)。神様の知恵を知るためにはど うしてもキリストの十字架に注目しなければ ならない。神様の御心を知るために、福音の中 心をしっかり悟るために、キリストの十字架の できごとを外すわけにはいかない。十字架と神 様の知恵は一体であるとパウロは語る。

◇しかし、私たちは十字架にかかってくださっ た神様を後ろ姿しか見ることができていない。 その十字架の出来事の意義を汲み尽くしては いない。パウロはそのような「隠された神」(ル ター)、この神様の知恵を「信仰に成熟した人た ちの間では」語ることができると言っている。 人間の知恵によって、神の知恵を語ることがで きるのではなく、「わたしたちには、神が“霊” によってそのことを明らかに示してください ました」と。そして、私たちが十字架にかかっ てくださったキリストを何とか伝えようとす るとき、私たちの拙い言葉であっても、それが たとえ「宣教という愚かな手段」であっても、 私たちの言葉を通して神様の霊が働いてくだ さると、パウロは 10 節以降に語りつづけてい る。13 節に進むと、「“霊”に教えられた言葉に よって」私たちは語ることができるとも言って いる。

◇私たちに、教会のすべての活動が神様から聖 霊の支えと導きをいただかなければ一切成り 立たないことを改めて示される。神様の聖霊に よる導きはキリストの十字架の出来事に決定 的な土台があり、ここに確証がある。十字架に かかりそして甦ってくださった主が私たちに 聖霊を注ぎ信仰生活へと導いてくださってい ることを感謝し、今週の歩みに就きたい。