2022/12/11「主は覚えていて下さった」ルカによる福音書1:67〜80牧師 古屋 治雄

ー待降節第3主日礼拝ー

ルカによる福音書1:67〜80
牧師 古屋 治雄

◇イエス・キリストがこの世界に来てくださったことによって神様が新しい救いの歴史を始めてくださった。クリスマスの出来事は、
そのことに繋がる神様の歴史がある。

◇ルカ福音書の中でイエス様がお生まれにな った様子が伝えられる前に、マリアによる賛 歌とザカリアによる預言があった。ザカリアは、神様の救いの歴史をアブラハムの時代まで遡って「神様によって現される恵み」を語 り、この二人による讃美の歌の中にイエス・キリストの誕生とお働きによって実現してくださった救いの出来事が預言されている。

◇クリスマスに繋がる一連の出来事の中で、神様が初めに天使を通して行動を開始されたのはザカリアへの次の言葉であった。「ザカリア、あなたの願いは聞き入れられた。あなたの妻エリサベトは男の子を産む。その子をヨハネと名付けなさい」(1:13)。ザカリアはザカリアの預言が歌われる前に、生まれてくる息子の名前を「ヨハネ」と命名することを、神様から命じられてい

◇「ヨハネ」という名前は「主は恵み深い」または「憐れみ」と訳してもよい言葉である。ザカリアは、自分の息子ヨハネを通してユダヤの民が担った特別な神様の歴史の中で神様の恵みと憐れみがこの地上にはっきり現わされることを確信し、地上の歩みを全うしたであろう。

◇ヨハネが、「イスラエルの多くの子らをその神である主のもとに立ち帰らせる。彼はエリヤの霊と力で主に先立って行き、父の心を子に向けさせ、逆らう者に正しい人の分別を持たせて、準備のできた民を主のために用意する」(1:16-17)と約束されていた。成人したヨハネは主イエスが登場される前に悔い改めの洗礼を授ける運動を展開していたことを私たちは知っている。

◇ヨハネをとおして神様の恵みと憐れみを受ける、イエス・キリストに橋渡しする歴史を担う者とザカリアを私たちが覚え、すでに救い主として登場してくださった主イエスにこの身を委ね、また証しする者となりたいと思う。