◇私たちは時に、疲れ、滅入り、悲しみに沈み、 眠れぬ夜を過ごすことがある。そんな私たちを、 地上の人生を歩んでいる間も、天に召されてか らも、一貫して支えてくださるのはイエス様ご 自身なのである。イエス様は復活されたという ゆるぎない根拠があり、その復活の生命に私た ちも与ることができるという希望が、私たちに 与えられているからである。使徒信条の「罪の 赦し、身体のよみがえり、永遠の生命を信ず」 を信じるから、私たちは望みをもって生きるこ とができる。
◇多くの人は、復活の希望を「死んでからのこ と」ととらえてしまう。聖書は私たちに、この 発想から離れるように促す(6 月 11 日の説教参 照)。イエス様と出会った私たちは知っている。 人間の時間の外側に神様の時がある。イエス様 の十字架と復活によって私たちは、その神様の 時に結ばれている。そしてイエス様は再臨され、 世界全体を平和と恵みのご支配のもとに置い てくださる。だからこそ、私たちは復活の希望 を今、この地上で生きることができる。復活は、 今の私たちに臨んでいるのである。
◇イエス様は「神の国は近づいた」と言われた。 地上世界の全体が神の平和に包まれるそうい う状態が、キリストの到来によってすでに現れ 始めている。その意味でこの言葉は「再臨の報 知」なのである。この地上を生きる私たちのた だ中に再臨が起こる。そして私たちは変えられ、 いつまでも主と共にいることになるのである (Iテサ 4:17)。
◇それがいつかは、私たちに知らされていない が、イエス様が必ず再臨され、私たちを永遠の 生命に結びつけてくださる。このことを知って いる私たちは、なお一層、主に愛されているも のとして、隣人とどう生きるかを問われている のである。復活するからどう生きても良いわけ ではない。
◇苦難はある。だが、主が死に勝利されたから、 私たちは押しつぶされない。その確信を私たち の心の中心にいただいて、地上の歩みを歩もう。