世記の「初めに神は天と地を創造された」という言葉に深く関係している。ヨハネは、「万物は言葉によって成った。言によらずに成ったものは何一つなかった」(3、4節)と語る。父なる神様の天地創造の御業における「言(ロゴス)」の働きを全面に出し、強調して、語っている。このロゴスこそ、イエス・キリストである。
◇聖書は、キリストが創造の前から父なる神様と共におられたと語る。私たちは、神様に造られた世界全体と共に、イエス・キリストによって神様の命に生きる者とされている。私たちが神様の輝きの中に、神様の光を浴びて生きることができる者とされていると、高らかに宣言しているのである。しかし、今起こっている戦争の現実を見れば、私たちはこの宣言に、心からアーメンと言うことができない。
◇創世記では天地創造から時代が進むにつれて人間が神様に背いてしまう歴史が伝えられている。ヨハネによる福音書でも、神様の命の光を、世に生きる者たちが拒絶したと語られている。「認めなかった」、「受け入れなかった」(10-11節)のである。しかし「光は闇の中で輝いている」、「闇は光に勝たなかった」(5節)と書いてある。闇が神様の光と敵対し続けるわけではない。光と闇の平行線が続くのでもない。神様の言(ロゴス)であるイエス・キリストは、「闇」の真っ只中に燦然と輝いており、キリストの勝利は確かなのである。
◇神様がキリストをお遣わしくださったのは、創造の初めに私たちに与えられていたはずの神様の生命を、再び私たちが生きることができるようになるためである。キリストの十字架によってこそ、私たちは、神様の光を輝かすことができるようになる。御父は、闇が覆っている世界で、光を理解することができない私たちのために、尊い御子イエス・キリストをお与えくださった。闇に打ち勝ってくださった救い主に感謝し、クリスマスを新たに迎えよう。