2025/01/19 「巻物をとって食べなさい」 ヨハネの黙示録10:1~11伝道師 太田 好則

◇黙示録には恐ろしい災いや戦いが描かれる。だがこの書物が語っていることの中心は、イエス・キリストが再び来られ、神に逆らうすべての誤った考えに最終的に勝利してくださるということである。イエス様は十字架と復活によって、信じる者をあらゆる悪から解き放ってくださった。けれども、21世紀においてもなお地上には悪があり、私たちも、時に罪や過ちを犯す。人間は、一人では罪や悪に打ち勝つことができない。しかし地上の悪や罪はイエス様の前にすでに瀕死の状態で、最後の抵抗を試みているに過ぎない。イエス様は弱い私たちを憐れんで再臨され、悪や罪の残存勢力を完全に滅ぼしてくださる。それが天の国の完成であり、人間の回復である。

◇一人の力強い天使が現れる。雲をまとい、虹を頂き、顔を太陽のように輝かせ、火の柱のよう
な足で海と陸を踏みしめている。これらは神の臨在、憐れみ、栄光、支配、権威を表している。この天使が叫ぶと、7つの雷が次々に神の言葉を語る。雷の声は普通、言葉としては理解されな
い。同様に神の言葉も、聞く耳のある人には理解できるが、受け入れようとしない人にはまったく理解できないのである。幻を見ている人は、神の言葉が書いてある巻物を、天使から受け取って食べるよう、命じられる。この人は、預言する者として新たに立てられるのである。「口に甘く、腹に苦い」とは預言者にとって、御言葉を聞くことがこの上ない喜びである一方、神の言葉を語ることは辛く苦しい使命であることを表す。

◇神様からの言葉を預かって語る役割は、今や教会に与えられている。「預言しなさい」を「伝道しなさい」と言い換えることができるだろう。伝道の業の第2世紀を迎える阿佐ヶ谷教会の一人ひとりは、御言葉を食べて、それを伝えるよう招かれている。御言葉を受けよう。そこに留まらず、御言葉を語ろう。御言葉に生きよう。示されている道を歩みぬこう。神を愛し、人に仕えよう。その先にこそ、新しい神の国がある。