2025/02/09 「約束されたものを待つ私たち」使徒言行録1:12~26花小金井教会牧師 松木 進

◇何年か前に部屋を片付けていた時、学生相当の共励会の会報『出会い』が出てきた。以前は聖書的な名前の方が良いと思ったが、伝道者として歩むうちに『出会い』は教会にふさわしいと思うようになった。両親に連れられて教会で過ごし、多くの人達と出会った。そして主イエスとの出会いが与えられた。

◇今日の箇所は主が天にあげられてから聖霊が与えられるペンテコステまでの10日間を語っている。主は使徒達に「父の約束されたものを待ちなさい」(1:4)と言い残された。使徒達にとりエルサレムは危険であったが、彼らは心を合わせて、ひたすら祈った。イスカリオテのユダは主イエスを引き渡した罪に耐え切れず自ら命を絶った。しかし他の弟子達も逃げ、ある者はイエスを知らないと言った。使徒達は祈るほかなかった。

◇『出会い』には教会の初期から歩んできた加藤信子さんの証が載っている。創立9年目に平岩愃保牧師が逝去し、自宅開放の小さな教会は解散しようという声が起こった。CS教師達は子ども達のために存続を願ったが、CS校長も急逝した。失意の教会員たちは「平岩先生が倒れてから祈祷会がなくなった」と気が付いた。1月24日水曜日の晩に代務者の松本卓夫牧師夫妻と教会員3名が集まり祈祷会を再開した。

◇松本時子夫人は祈りの人であったという。どこでも教会員に話しかけ、最後に「祈りましょう」と祈った。私は20年前にこの教会から送り出された後、何度もこの話を思いだした。コロナ禍で妻と私しかいない礼拝堂で礼拝を守るのは孤独な体験であった。礼拝後に会堂に来た教会員と「祈りましょう」と祈った。

◇私達は聖霊降臨後の時代を生かされている。私達が礼拝するのも、祈るのも、洗礼を受けるのも、主の聖餐も、聖霊の働きによる。聖霊がいなければ教会は一日も続かない。使徒達は聖霊を待ち望んで祈った。創立9年目の教会は5人で祈った。聖霊は私達に主の復活の証人の務めを与える。聖霊の与えられるところ、教会の歴史は続くと信じる。