礼拝説教


2009/6/28 聖霊降臨節第五主日礼拝 

       「生涯のささげもの」

牧師 大村  栄

IIコリント8:1〜15


◇パウロはコリントの信徒に向けて、「1:マケドニア州の諸教会に与えられた神の恵みについて知らせましょう」と言う。彼らは「4:聖なる者たちを助けるための慈善の業と奉仕に参加させてほしいとしきりにわたしたちに願い出た」。「聖なる者たち」とはエルサレム教会の人々のこと。由緒あるエルサレム教会は、ローマによる弾圧や災害によって規模が縮小し、経済的にも困窮していた。パウロは各地を伝道旅行しながら救援を訴え、それを聞いた人々は放っておけぬと献金を彼に託した。

◇マケドニア州の諸教会も率先してこれに参加したが、彼らは経済的にゆとりがあってそうしたのではない。「2:彼らは苦しみによる激しい試練を受けていたのに、その満ち満ちた喜びと極度の貧しさがあふれ出て、人に惜しまず施す豊かさとなった」。「苦しみと試練」が「喜び」に、「極度の貧しさ」が「施す豊かさ」に変わっていく。

◇常識では考えられないことだが、常識とは異なる別の基準がある。「9:主は豊かであったのに、あなたがたのために貧しくなられた。それは、主の貧しさによって、あなたがたが豊かになるためだったのです」。人間の常識を越えたより高度な生き方の基準、それは「神の身分でありながら…自分を無にして、十字架の死に至るまで従順」(フィリピ2:6以下)であられた主にならう生き方である。

◇今年は日本にヘボンらプロテスタントの宣教師が来日して150年。1859年にヘボンを日本へ派遣したのは米国改革派教会(RCA)。エイブラハム&さゆ里キスト岡崎夫妻は、RCAの55の地方教会の祈りに支えられて現在日本の伝道に献身している。

◇1873(明治6)年にはカナダ・メソジスト教会の宣教師たちが派遣されてきた。その内のカクラン宣教師から受洗した青年の一人が平岩愃保。カナダメソジストでは婦人信徒の手編みの衣類をバザーで売った献金などを日本伝道のために捧げた。宣教師たちを通して遠い日本の伝道のために捧げものをすることが、彼らの喜びだったのである。

◇「9:主の貧しさによって、あなたがたが豊かになる」との基準に生きる「豊かな者」でありたい。

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