2010/6/13 青年伝道礼拝
(ユースフェローシップ礼拝)
「信じる力」
大宮 謙先生(青山学院大学)
マタイ福音書25:14〜30
◇有名な「タラントンのたとえ」である。ある時、
旅行に出掛ける主人は3人の僕に、5タラントン、
2タラントン、1タラントンの財産を預けた。額に
差はあるが、1タラントンと言えども換算すれば、
6千万円ぐらいになり、決して少なくはない。ここ
で注目すべきは、主人が一番力のある僕だけでなく
全ての僕に財産を預けたことである。タラントンが
何を示すと理解するにせよ、人生で問われるのは
各自がタラントンをどう生かすかということである。
◇5タラントン、2タラントンの僕は、商売で成功
し財産を倍にした。一方、1タラントンの僕は、穴
を掘り、預かった金を埋めた。時が経ち、旅から帰
った主人は、成功した二人を、「少しのものに忠実
であった」と褒めた。億円単位にもなる財産を「少
し」と言い切る主人に驚かされる。神のもとには莫
大なタラントンがあることを示す言葉である。一方
金を埋めた僕は、厳しくとがめられ、タラントンを
取り上げられた上で、外の暗闇に追い出された。
◇求められているのは、神を信じ、また、神が自分
にも決して少なくないタラントンを預けてくださっ
ていると信じる力である。目の前の課題にたじろぎ
そうになる時にこそ信じることである。神は、私た
ちを愛し、タラントンを預け、私たちがそれを思い
切って使うことを望んでおられる。使おうとしない
タラントンは、宝の持ち腐れなので、神は取り上げ
使う気のある別の人に預ける。失敗ではなく、タラ
ントンを使わないことが、神にとがめられるのであ
る。真面目であるが故に、慎重になり過ぎて、使う
機会を逸してはならない。
◇結果が分からないからこそ、信じて、祈って、進
むのである。そこに夢や希望が生まれる。失敗して
全てを失ったように思う時にも、絶望だと思う時に
も、どん底に沈む時にも、「神なんかいるものか」
と思う時にも、十字架で死に、復活して今も生きて
おられる主イエスが私たちを支えてくださり、「わ
たしはあなたと共にいる」と声を掛けてくださる。
ここに神の愛がある。この方を信じ、思い切って、
預けられたタラントンを力一杯大胆に使いたい。
(C) Asagaya Church, United Church of Christ in Japan, asagaya-church.com