2010/10/24　＜在天会員記念礼拝＞

　　　　　　 「神の前に豊かに」

牧師　大村　栄

ルカ福音書12：13〜31

◇今日は「在天会員記念礼拝」。教職16名、信徒386名、家族39名、計441名の天にある方々を覚える。

◇ある男の遺産相続に関する相談を拒絶した主イエスは、ただ貪欲に注意を払うように注意された。金持ちでも貧しくても、貪欲という罪によって神を忘れてしまうことがある(箴言30:7-9)。

◇16節以下でたとえを用いて語られる。豊作を喜び明るい未来を信じた男に、神が言われる、「20:愚かな者よ、今夜、お前の命は取り上げられる。お前が用意した物は、いったい誰のものになるのか」。さらに「21:自分のために富を積んでも、神の前に豊かにならない者はこのとおりだ」。

◇次の段落では「22:思い悩むな」と言われる。マタイでは「空の鳥、野の花」を示すが、ルカではカラスを見よと言われる。忌まわしい動物さえも、神はこれを養って下さる。どんな者にも神が最善をなして下さるということを信じて信頼することだ。そうすればあらゆる「思い悩み」から解放される。

◇「神の前に豊かになる」とは、そういう神へのまったき信頼を生きることなのだが、さらに勧められるのは「33:尽きることのない富を天に積む」ことであるとされ、具体的には「33:自分の持ち物を売り払って施しなさい」という、慈善や奉仕の勧めへと展開していくのである。

◇人は生前に他者のために捧げたり施したりしたものが天に積まれ、それが天国で住む家の資材になるという寓話的な話しがある。今日記念して覚えている441名の方たちは、それぞれ充分な富を天に積んでいただろうか。私たち自身はどうだろうか。

◇招詞に読んだヨハネ14章で主は言われた、「1:心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい。2:わたしの父の家には住む所がたくさんある。もしなければ、あなたがたのために場所を用意しに行くと言ったであろうか」。この主イエスに信頼し、お従いするところに、私たちの究極の「神の前に豊かになる」方法がある。

◇クリスマスに向かう季節にあたり、キリストは何のために生まれたかを改めて考えよう。それは遺産相続のような地上の問題の解決のためではなく、それらの問題を超え、それらの最後で最高の解決である天国への道を開くためだった。在天会員はそれを信じる信仰を持って生きて、死んだ方たちなのだ。

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