礼拝説教


2013/3/10 <受難節第4主日>

「よみがえりを信ず-大震災二年をおぼえて」

ローマ書8:31~39

牧師 大村  栄


◇日本基督教団は2年前の3月22日に、石橋議長を本部長とする「東日本大震災救援対策本部」を設置した。基本方針は「地域の人々の救いに仕える教会の再建を目指して」。これに併せて選んだ聖書は詩編124:8「わたしたちの助けは、天地を造られた主の御名にある」。これは歴史の中で、神に与えられた恵みを回顧し、感謝する詩だ。現在の困難に目を奪われず、「1:主がわたしたちの味方でなかったなら」あり得なかった恵みの歴史の中で、未来への希望を得たい。

◇この言葉はローマ書8章にもある。「31b:もし神がわたしたちの味方であるならば、だれがわたしたちに敵対できますか」。「32:御子をさえ惜しまず死に渡された方は、御子と一緒にすべてのものをわたしたちに賜らないはずがありましょうか」。私たちのあらゆる不安の源は、この神の愛を信じないところから来るのだ。

◇「35:だれがキリストの愛からわたしたちを引き離すことができましょう」。ここで言うのは私たちの「キリストに対する愛」ではなくキリストの「私たちに対する愛」であり、「39:わたしたちの主キリスト・イエスによって示された神の愛」である。「39:高い所にいるものも、低い所にいるものも、他のどんな被造物も」そこから私たちを引き離すことは出来ない。

◇神の愛と現実との間に、大きな格差や距離があるのを感じることがある。しかしどんな被造物も、津波も放射能も、死も、神の愛から私たちを引き離すことはない。そして神の愛を示した十字架の後に実現したキリストの復活は、未来への道を開く神の最大のみ業だ。

◇そういう神を味方にする私たちの未来を阻むものは何もない。出エジプトの際に、葦の海が割れてそこに道が開けたように、神によって未来への道が、私たちに開かれる。

◇そのような信仰に立って迎える震災2周年であり、さらに続く復興への道のりを歩みたい。
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