礼拝説教


2013/4/7 <復活節第2主日礼拝>

「あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい」-新年度教会標語による説教-

マタイ福音書5:13~16

牧師 大村 栄


◇私たちは「地の塩」として、自分を地に溶かし込むような働きをすると共に、「世の光」として世界の隅々までキリストの光を照らすために働く。それを「伝道」と言う。

◇日本基督教団は「伝道推進室」を設置し、低下の一途をたどる教団の伝道力を回復しようとしている。阿佐ヶ谷教会も教勢低下と、それに伴う財政の逼迫がある。今こそ改めて、教会の存在意義と使命が問い直されねばならない。

◇戦後日本の教会は、社会の変化に対応して、「内向き」の自己中心主義から、「外向き」の世に奉仕する教会へと「体質改善」すべしと言われた。しかし本来は「内向き」と「外向き」の二者択一でなく、内外共に責任をもって担える教会であるべきだ。「外向き、内向き」以上に、教会は言わば「上向き」を尊重する。

◇最後16節に三度「あなたがた」の語がある。「そのように、あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。人々が、あなたがたの立派な行いを見て、あなたがたの天の父をあがめるようになるためである」。(1)「あなたがたの光」は、キリストの光だ。私たちはこれを「人々の前に輝か」すのであって、自分が輝くのではない。(2)「あなたがたの立派な行い」は、地の塩として低く仕え、自分の命を捧げて生きることだ。(3)「あなたがたの天の父」なる神が崇められることが、キリスト者の行動の基準である。神はそういう私たちの日々を見守り、最期には帰って行く私たちを天に迎えて下さる。

◇「あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい」という標語を与えられた今年度、私たちはこれを神からの伝道命令と受けとめ、伝道に励む年度を歩み出したい。自分自身を「地の塩」として社会に溶かし込んでいくと共に、「世の光」として世界にキリストの光を輝かせ、それによって世界をひとつの家とすることを目標とし、神の国の到来と、それによる世界の完成の時を目指して進もう。「御国を来たらせ給え」。

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