2013/6/9 聖霊降臨節第4主日礼拝説教
「世にあって星のように」
主任牧師 大村 栄
フィリピ書2:12~18
◇パウロは獄中からフィリピ教会の人々に、「神への従順」を身に着けるよう命ずる。その従順の模範となるのは、2章1節以下に語られているキリストの姿だ。
◇「キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、・・・・へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした」(2:6-8)。このキリストの徹底した「神への従順」を模範としてフィリピの人々も、「神への従順」と、それによる教会の一致を実現せよと勧告する。
◇「神への従順」は「12:恐れおののき」を伴う。招詞の詩編2:11に「畏れ敬って、主に仕えおののきつつ、喜び躍れ」。恐れおののきつつ「神への従順」を志し、「14:何事も、不平や理屈を言わずに行いなさい」。「不平や理屈」は神への不信仰であると言わざるを得ない。
◇水曜日の祈祷会で読んでいる出エジプト記によると、イスラエルの民は、故郷に向かう途中シナイの荒れ野で、飢えと渇きから不平を口にして、神を疑い、奴隷の地エジプトの肉鍋を慕った。それに対して神はマナを降らせたり、ホレブの岩から水をほとばしらせたりして民の不満に応え、約束の地への旅を励まされる。
◇先週東神大で「現代社会に伝道する牧師」との主題で「日本伝道協議会」が行われた。芳賀学長は主題講演の中で、罪の奴隷の状態である現状に気づき、そこに留まることを願わず、エクソダスを志し、はるかに良い地があることを信じて、そこへ向かう旅の群(すなわち教会)へと人々を導くこと、それが「現代社会に伝道する牧師」の務めだと言われた。
◇約束の地を目指して荒野を旅する神の民、それが私たちの教会である。この世界は神に造られた世界であるが、現実は対立と抗争、混乱の続く世界だ。しかしこの荒れ野の先に、麗しき約束の地があることを、「命の言葉」なる聖書によって示され、それを信じ、そこへの旅を続ける私たち。この教会は、世界に未来の希望を示し、光を輝かすことが出来る。その光と希望の源である神を指し示すことが出来る。それが「世にあって星のように」輝く教会である。
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