礼拝説教


2013/12/8  待降節第2主日礼拝

「神の国の今日と明日」

イザヤ書65:17~20、ヨハネ福音書10:7~10
名誉牧師 大宮  溥

 
◇韓国の釜山で開催された世界教会協議会(10 月30日~11月8日)に出席して、ここで発表されたWCCの声明から、教会の本質と使命について深く啓発された。 (1)教会は、世界を神の国とする、神の歴史支配に参与する神の民である。神が世界を創造された時、人類が神の民となり、生命あるすべてのものが共に生きる「神の国」の目標があった。 (2)人類が神に背き、罪に落ちた時、世界は神の国と正反対の、罪と滅びと死の舞台となった。 (3)そこで神、三位一体の神は、子なる神イエス・キリストを世界に派遣し、その生と十字架と復活によって、人類が救われ、「神の国」の基礎が据えられた。キリストは「神の宣教」を担う第一の「宣教師」である(ヨハネ10:10)。 (4)キリストは昇天の後、聖霊を弟子たちに送り、それによってキリストが弟子たちの内に住んで、キリストの体である教会が形成された。教会は「形成途上の神の国」であるが、神の国は教会の中だけに見えない形であるだけでなく、再臨において見える形で、しかも世界全体が神の国となる。教会はこの世界にイエス・キリストを宣べ伝えて神の国の基礎が据えられたことを知らせ、敬天愛人の生活を築くように呼びかける、宣教と奉仕の任務が与えられている(イザヤ書65:17~25)。

◇今回のWCCの呼びかけは、日本の教会にとっても行くべき道を示している。第一は日本の全教会が一人の主に導かれる一つの体として、会いの交わりと連帯を強化して、日本伝道に前進するようにとの呼びかけである。第二はWCCのメッセージが、神の国を築く担い手の中心が社会の周辺部の人たちであると述べていることである。日本では東日本大震災後、被災者たちに同情と共生の思いが集まり、被災して社会の周辺部にいた人々marginalsが再建の担い手の中心に置かれた。このような形で再建がなされる時、日本社会は神の国の影を宿すものになる。日本伝道と周辺部からの社会の再建こそ、日本教会の「神の国」への巡礼である。

(C) Asagaya Church, United Church of Christ in Japan, asagaya-church.com