2014/2/9 創立90周年記念礼拝
「神の国をめざして」
マルコ福音書4:10~12、21~34
主任牧師 大村 栄
◇「神の国」は領域でなく神の支配を指す。教会は神の支配を世に示す媒介であり、同時に神の国を指し示す矢印である。つまり教会自体が「神の国のたとえ」なのだ。
◇主は弟子たちに「11:あなたがたには神の国の秘密が打ち明けられているが、外の人々には、すべてがたとえで示される」と言われる。「たとえ」は決して分かりやすくはないが、そこに「神の国の秘密」が隠されている。21節以下にその「ヒント」が告げられている。
◇「21:ともし火を…升の下や寝台の下に置く」人はいない。教会は秘密集団ではない。はっきりと公に矢印が神の国の正しい方向を指すために、耳を傾けて神のみ声を聞き、また時代の声を聞くべきである。「23:聞く耳のある者は聞きなさい」。
◇誰も知らないところで「27:種は芽を出して成長する」。人間の関与できない部分が多いが、見えないところで、確実に神が進めて下さる。それが神の国を目指す歩みなのだ。
◇初めは「31:からし種のようなもの」だが、やがて「32:成長してどんな野菜よりも大きく」なる。神の国がそういうものなら、神の国を目指す教会もきっと、人間的な規模を超えて大きな器とされていくに違いない。『90周年記念誌』にこの10年の教勢減少のことを書かざるを得なかった。しかし未来を信じて教会の歴史を維持していきたい。
◇主イエスは「33:人々の聞く力に応じて」たとえで御言葉を語られた。私たちの状態に応じて御言葉を示して下さった。その主の忍耐にならって進もう。記念誌の副題は編集委員会で「神と人とに仕えて」とした。90年間阿佐ヶ谷教会が歩んできた歩みも、これからの歩みも、「神と人とに仕え」つつ、神の国を目指す歩みだ。
◇教会は、神の国を目指す矢印として用いられつつ、ここにおいて神に従う人々を育て、世に送り出し、それにより神の国実現を目指すのである。
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