礼拝説教


2014/2/16 降誕節第8主日礼拝

「キリストの愛に支えられ」

エフェソ書3:14~21
伝道師 堀川  樹

 
◇著者パウロはこの手紙を獄中から書いたとされるが、そのような苦難の中でも彼は祈り続けた。しかもその祈りは普段ユダヤ人が立って両手を広げて祈っていたのとは異なり、ひざまずく祈り(14節)であった。この祈りの姿勢には心を尽くして真剣に祈ることが表現されている。

◇ではパウロが祈ったその内容は何か。彼は父なる神が聖霊をもって、信仰者の「内なる人」(16節)を強めてくださるようにと祈る。この言葉は人格やその人の存在を指している。それと対称的な「外なる人」とは健康、地位、名声、生活の安定などと言えよう。私たちはしばしば「内なる人」ではなく、目に見える表面的な「外なる人」のことばかりを祈りがちであるが、何より私の存在そのものを強めてくださる主に目を向けたい。

◇またこの「内なる人」を強めることは、私たちがどれほど鍛錬を積んでも、自分の力では不可能であることを自覚しなければならない。それは神の霊、聖霊(16節)によってのみ強められるのである。聖霊とは「内在するキリスト」とか「昇天されたキリストの代わりに来られた新しい助け主」と言われる。聖霊によってキリストが私たち一人一人を訪れ、覆ってくださる。この聖霊なる神を信じ、キリストの愛と恵みを受けとりたい。

◇18節ではそのキリストの愛が語られている。全ての人を救う、何人も排除しないその「広さ」。どこまでも赦すその「長さ」。十字架と復活によって示された聖なる愛で罪も穢れも清めてくださるその「高さ」。キリストの愛はこの世のどん底、絶望の淵にも達し、私たちを下から支えるその「深さ」。キリストの愛はこの4次元に無限の広がりをもって、私たちを生かしてくださる。

◇教会創立90年の歩みを迎えた阿佐ヶ谷教会。これまで与えられた主の恵みに感謝し、これからもますます私たちの存在を強めてくださる聖霊を求め、キリストの愛を体験して共に歩もう。
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