2014/3/9 受難節第1主日礼拝
「最も大切な教え」
申命記6:1~15
主任牧師 大村 栄
◇「これは、あなたたちの神、主があなたたちに教えよと命じられた戒めと掟と法であり、あなたたちが渡って行って得る土地で行うべきもの」(6:1)。イスラエル民族が子々孫々にわたってこれを守れと命じられた一族のおきて、「家訓」のような共同体のルールであったと言えよう。
◇「聞け、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である。心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい」(6:4-5)。まず神は一人だと言っている。人間の願いによって適当に出し入れされたりする神々などではない。一貫した意志をもって世界を創造し、これを運行なさる神だ。招詞のローマ書11:36に「すべてのものは、神から出て、神によって保たれ、神に向かっているのです」とある通り。ただし常に人間の意志と一致するとは限らない。その神を「愛する」とは、神の意志に信頼して身を委ね、従うということ。それが聖書の信仰の中心である。
◇そのような信頼と信仰によって、人は真実な生を生きることが出来る。そしてその信仰を子供たちに伝え、自分自身も生活のいかなる時にもこれを覚え続けよと言われる。「子供たちに繰り返し教え、…これを語り聞かせなさい」(6:7)。
◇「戒めと掟と法」を守るというのは、単に家訓や教訓として厳守するというだけでなく、神へのまったき信頼と感謝の表明でもある。主なる神の導きによって今日あるを得ている自分たちは、その恵みへの感謝を表明し、その恵みを下さる神への信頼と服従をつらぬき通す、それがイスラエルの「最も大切な教え」であった。
◇恵みを頂いて生きるからには他の神々などに目もくれず、ただひたすらに神のみを仰ぐべきだ。「あなたの神、主を畏れ、主にのみ仕え、その御名によって誓いなさい。他の神々、周辺諸国民の神々の後に従ってはならない」(6:13-14)。
◇ひとり子を十字架に賜うほどの痛みを覚えてまで、私たちを愛して下さった神の愛に応えて神を愛し、その神への服従を誓い、改めて「1:戒めと掟と法」を守る決意を深めたい。
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