2014/4/27 復活節第2主日
「神の国への巡礼」
ヨハネの黙示録1:1~8
名誉牧師 大宮溥
◇阿佐ヶ谷教会創立90周年を回顧すると、この教会を築いてきた要因として①歴史を導く神の言葉が力強く語られてきたこと、②祈りが燃え続けてきたこと、③信徒がこの世の中で「地の塩、世の光」として使命を果たしてきたことがあげられる。これを新たに受け止め、継承しよう。
◇今日はヨハネ黙示録から「歴史を生きる教会」について学びたい。この書はローマ皇帝ドミチアヌスの時代もしくはその直後、紀元90年ごろに書かれた。それは迫害の時代であり、著者ヨハネは小アジアの七つの教会の指導者であったが、その地位から追放されパトモスの島に流されていた。
◇ヨハネは只一人で守っていた礼拝で幻を与えられ、それを教会に書き送って、礼拝の中で読まれることを期待した。歴史を導く神の御計画は礼拝の中で示されるのである。
◇入祭文とも言うべき今日の箇所で神が歴史の初めから終わりまで生ける御手をもって導かれる方であることが示されている。「今おられ、かつておられ、やがて来られる方」である(5節、8節)。それゆえに我々は歴史の中で孤立無援と思われる時にも神共にいます希望をもって進むのである。
◇神が歴史の導き手であるのに対してイエス・キリストは「死者の中から復活した方」(5節)「わたしたちを愛し、御自分の血によって罪から解放してくださった方」(5節)である。神は創造の初めに世界を「神の国」とする御計画であった。しかし始祖の堕罪によって罪と悪と死の世界となった。この世界にキリストが遣わされ、人間の罪の審判を御自身に引き受けられ、復活によって永遠の生命を与えてくださったことによって「神の国」の基礎が築かれたのである。この神の国はまだ完成してはいないが、終末の完成が約束されている。人類は今、神の国へ向かっての巡礼の旅の途上にある。
◇この神の国への巡礼の旅が世界の歴史である。教会は灯台であって、その間をキリストが歩まれ(2:1)、その光に照らされて世界が巡礼の旅を進めるのである。教会はその先頭に立って、宣教と奉仕の歩みを進めるのである。
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