2014/10/26 在天会員記念礼拝
「神からの問い」
ヨブ記38:1~18
主任牧師・大村 栄
◇自然災害などに際し、神になぜと問う私たちに、その問いは答えられると告げるヨブ記38章。ただしその答えは単純ではない。
◇「1:主は嵐の中からヨブに答えて仰せになった。2:これは何者か。知識もないのに、言葉を重ねて、神の経綸を暗くするとは」に続いて、「3:わたしはお前に尋ねる、わたしに答えてみよ」と迫る。「4:わたしが大地を据えたとき/お前はどこにいたのか。知っていたというなら、理解していることを言ってみよ」。
神は天地創造の手順や秩序を述べ、それらをお前はどれほど知っているのかと迫る。人間の無知を思い知らせる問いである。
◇「経綸」は漢語で「国を治め、民を治める方策」の意。「神の経綸」は万物の造り主なる神が、この世界を治める意志であり計画。その神の「経綸」の中に私たちの世界は運行し、私たち一人一人の命も覚えられている。
◇ルカ福音書12:22-31は「思い悩むな」とのマタイにもある有名な言葉。「25:あなたがたのうちのだれが、思い悩んだからといって、寿命をわずかでも延ばすことができようか。26:こんなごく小さな事さえできないのに、なぜ、ほかの事まで思い悩むのか」。寿命を延ばすことなど、神には「ごく小さな事」なのだ。
◇交読した詩編90:4「千年といえども御目には/昨日が今日へと移る夜の一時にすぎません」。そういう神の時間、神の歴史の中に身を置き、委ねて生きる私たちである。
◇今週の金曜日10月31日は宗教改革記念日。それを覚えて讃美歌267番を歌う。「神はわがやぐら、わが強き盾」。「わが命も、わが宝も、とらばとりね、神の国はなお我にあり」。「神の国」とは領域ではなく、神の統治と支配。まさに「神の経綸」である。
◇大地の成り立ちを知らず、寿命を延ばすこともできない私たち、しかし神がすべてを統治しておられることを知っているがゆえに、神の国に希望を持って歩んでまいりたい。
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