2015/1/18 降誕節第4主日礼拝
「しかし、お言葉ですから」
ルカによる福音書5:1〜11
主任牧師 大村 栄
◇主イエスは、漁師のシモンに「4:沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」と言われた。彼は「5:夜通し苦労しましたが、何もとれませんでした」と応えるが、「5:しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」と信じて漕ぎ出す決意をする。信じるのは信じられるからではない。信じようと決意するからだ。その結果「6:網が破れそうに」なるほどの大漁を経験した。
◇ルカが記すクリスマス・ストーリーには 「お言葉 」を信じて行動した人々が登場する。受胎告知を受けたマリアは「お言葉どおり、この身に成りますように」(1:38)と神の言葉を信じて偉大なご用に用いられた。羊飼いたちは天使の言葉を信じてベツレヘムに駆けつけ、「見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめた」(2:20)。シメオンは幼子イエスを腕に抱き 、 「主よ、今こそあなたは、お言葉どおり、この僕を安らかに去らせて下さいます 」(2:29)と主を賛美した。
◇「お言葉」に従って大漁を経験したシモンは、「8:主よ、わたしから離れてください。わたしは罪深い者なのです」と悔い改めた。これは現実の困難さに立ちすむ自分の弱さを自覚し、そこから 「しかし、お言葉ですから 」と信じて踏み出す人生への方向転換だ。
◇罪を告白するペトロに、主は「10b:恐れることはない。今から後、あなたは人間をとる漁師になる」と派遣の言葉を告げる。罪が赦されて終わりではない。新たな使命に送り出される。1月7日の年頭祈祷会「世界平和のために」の際に読まれたイザヤ書2:4 「彼らは剣を打ち直して鋤とし/槍を打ち直して鎌とする 」。武器を放棄するだけでなく、それを平和の道具に持ち替えて、頑なになった人の心を耕すという、新たな使命を与えられる。
◇困難な作業だが、シモンが「しかし、お言葉ですから」と信じて大漁となったように、私たちも信じて従っていこう。
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