2015/4/19 −復活節第3主日 礼拝−
「平和があるように」
ルカによる福音書24:36〜43
主任牧師 大村 栄
◇復活の主イエスは、恐れおののく弟子たちの前で、彼らの差し出した焼き魚をムシャムシャと食べた。エマオの宿でも食事を共にしたし、ガリラヤ湖畔で復活の主イエスと朝食を共にする場面もある(ヨハネ22:19)。
◇これは聖餐式のルーツのひとつだ。聖餐は復活の主と共に食卓に着くということでもある。その食卓を象徴する聖餐卓が礼拝堂の中心にある。去る復活祭礼拝では、二人の姉妹が洗礼を受け、聖餐共同体に迎えられた。
◇ただし彼らは食事だけでは復活を理解できず、食事後に言葉による説明が必要だった。エマオの宿では先に言葉による説明があり、後に食卓で弟子たちの目が開かれた。順序はともかく、復活の主を中心にした言葉と行為は、礼拝における聖餐と説教を表している。
◇「47:罪の赦しを得させる悔い改め」によって、十字架と復活によって回復された神とのとの平和、 「シャローム」が実現する。罪の赦しは神の愛の発露だ。 「愛のためのメタノイア(悔い改め)」は逆から読んでも同じ(回文)。
◇3月21日に教区全体研修会でスティーブン・リーパーさん(広島平和文化センター理事長)の講演を聞いた。私は広島と平和を語るその講演を聞きながら、この礼拝堂正面のドームが、今年で建設100年の広島の原爆ドームに似ていると感じた。ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されており、 「二度と同じような悲劇が起こらないように」との戒めや願いをこめて 、 「負の世界遺産 」と呼ばれている。
◇こちらは半分ほどの高さだが、その上に十字架が立つ。人類の 「負の遺産 」の上に、罪の赦しのしるしである十字架が立ち、そしてその下に、十字架の後に復活されたキリストと食事を共にする食卓である聖餐卓と、その復活の喜びと希望を語る説教壇がある。
◇復活の主はここで「あなたがたに平和(シャローム)があるように」とよびかけ、平和を語り継ぐ者として私たちを送り出される。
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