礼拝説教


2015/9/6 −振起日礼拝−

「十字架を背負う」

ガラテヤの信徒への手紙6:11〜18
牧師 大宮  溥

 
◇9月第1日曜日は「振起日」である。秋のはじめに、心を高く上げ、み言葉と 聖餐によって霊の命を新たにされて信仰生活を踏み出そう。

◇本日与えられたみ言葉は、使徒パウロの「福音の基本の宣言」というべきガラ テヤ書の末尾で、パウロの自筆の部分である。彼は「大きな字で」記 し、信徒 の心に深く届かせようとしている。彼がガラテヤ書で訴えようとしているのは、 当時の初代キリスト者の中に、以前のユダヤ教の慣行である割 礼と律法に固執 して、イエス・キリストが与えてくださった霊的な自由の道を妨げる動きに屈す ることなく、救いの大道を歩めと勧めたのである。

◇「わたしには、わたしたちの主イエス・キリストの十字架のほかに、誇るもの が決してあってはなりません」。十字架は、罪人である人間には担い切 れない 滅びの力を、神が代わって受け止め、人間に永遠の命を与えてくださった出来事 である。これは「新しい創造」であり、これによって神の国の基 礎が打ち立てら れたのである。これは神の愛が人類に注がれ、人間はこの愛を受けて、神を愛し 隣人を愛して生きる者となる。これは霊の道であり、ユ ダヤ教的な肉の道とは異 なっている。

◇パウロはガラテヤの信徒たちが今やこの認識を得たと信じ、今後このような逆 戻りをしないように念を押し、自分は「キリストの焼き印」を身に帯び たキリ ストの奴隷であって、なすべき使命の道をひたすら前に向かって進みたいと述べ ている。パウロの身には宣教のために加えられた傷跡があった。 我々が洗礼を 受け礼拝に与るのも「キリストの焼き印」である。そしてキリスト者の道は、イ エス・キリストが我々を担って進んでくださると共に、 我々もキリストを担っ て伝道と奉仕と交わりの道を歩むことである。これは霊の導きに従って歩むこと である。パウロは肉の業を断って、霊の実を結ぶ ように教え、「愛、喜び、平 和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制」を挙げている(5:22〜23)。



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