礼拝説教


2015/11/1 −降誕前第8主日−

「創造の神」

創世記1:1〜5,24〜31
牧師 大宮 溥


◇降誕前主日に新約以前の救済史を展望する、教団の主日聖書日課に準じて、本日は「創造」の物語を学ぶ。「初めに、神は天地を創造された」という冒頭の言葉から、世界と我々は自然発生的に出現したのでなく、神によって無から存在へと呼び出されたという恵みに直面し、感謝に導かれる。

◇神は創造の御業の第一として「光」を呼び出された。「言葉による創造」である。神は心に思い、意志することによって、世界を実現される。神は「光と闇とを分け、光を昼と呼び、闇を夜と呼ばれた」。このように神は造られた世界に、区別と秩序を与え、世界を混沌(カオス)から「秩序ある世界」(コスモス)へと形成された。

◇「夕べがあり、朝があった。第一の日である」。秩序ある空間が形作られるとき、そこに時間が流れ、歴史が展開する。天地、海陸、植物、動物、そして人間が出現する。

◇この歴史的世界の頂点、また世界の管理者として、最後に人間が創造された。人間は「神の像」に造られた。「像」とは「向き合って、呼べば応える関係」「差し向かい」のことである。神と人間という上下の向き合いに対応して、男女という横の向き合いがある。

◇また人間は「海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うものすべてを支配する」。世界の管理者としての任務と責任が与えられている。これは今日、緊迫した問題である。資源枯渇と地球温暖化に直面して、「持続可能な環境」を作る責任である。母なる自然の下で子供のように生きる状態から、「成人の時代」に入っているのである。

◇神が創造の業を終えられてその全体を見られたとき、「それは極めて良かった」。「良い」とは「美しい」とも訳せる。そして神は第七の日を安息日とされた。祝福と聖別の日である。われわれはこの日に礼拝を守り、神の祝福にあずかり、神の国を形成する神の民として、神の召しと祝福を受けて週日へと踏み出すのである。
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