礼拝説教

2017/01/15

「イエス・キリストへの信従」

マタイによる福音書4:18〜25
牧師 大宮  溥



◇マタイ福音書はイエス・キリストの活動の出発を、神の民の出発としてとらえ、弟子の召命を描きます。イエス・キリストは最初から「教会のかしら」として「体なる教会」を築き、生かすお方であります。

◇一般に宗教では、人はこの世から脱出して(出家)、その道に進みます。しかしイエス・キリストの場合は、神の子がこの世に来て「天の国」が地上に築かれる時が来たと語られました。そしてこの世の勤めについていた漁師と出会い、「わたしについて来なさい」と呼びかけました。

◇普段われわれは外の世界を眺め、それに順応して生活しています。ところがその外の世界に自分と同じ人格が現れ、声をかけ、心の中に入って来て、心と心の交わりが始まります。こうしてわれわれは、個人としてと同時に、共同体の一員として生きます。この共同体は縦の神と人との交わりと、横の隣人同士の交わりから成る愛の共同体であります。神は世界の創造に際して、このような「神の国」を目指されたので ありますが、人間の堕罪によって崩れ、イエス・キリストの贖罪によって回復されました。主は神の国の基礎を築き、「形成途上の神の国」として「教会」を建て、その最初の担い手としてペトロ兄弟、ヤコブ兄弟を召されました。これはキリスト者の召命の原型であります。

◇召命の過程は多様ですが、いずれの場合でも先行者はイエス・キリストであり、われわれはそれに応えるのであります。この献身の道は、教職の道だけでなく、職業などを通して、各人が神の国の各部署を担うことによって果たされます。そこで「宣教」と「奉仕」と「交わり」を担うのであります。『足跡』の詩のように、信従の道を歩みます。

◇主イエスは「神の国」を築くために、教えと癒しに従事しました。キリスト者たちは最初はガリラヤからシリアへと拡がり、全世界へと拡がっていきます。

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