2017/01/22
「小さな神の下からのご支配」
マルコによる福音書1:14〜15
協力牧師 中野 実
◇天体の成り立ちについての講演を聞いた。天体の大きさ、その歴史の長さについて知れば知る程、自らの小ささを実感する。そんな小さな私たちにとって、万物の造り主なる神の御心は大きすぎて捉えがたい。しかし、そんな私たちのために、神自ら小さくなり、見える存在となってくださった。それがクリスマスの出来事である。しかし、今度は私たちが大きくなりすぎて、小さな神の御子の誕生に気づかない。そんな私たちが神の御心を知るにふさわしい身の丈となるために、御子イエスは私たちと共に歩んでくださる方である。
◇そんな歩みの第一声が今朝の御言葉である。「時は満ちた」!日々の時間に流されがちな私たちに、神が用意してくださっている「かけがえのない時の点」(カイロス)を発見するようにイエスは促す。なぜなら、神の国、神のご支配が私たちに迫っているからである。しかし、神の国はからし種のように小さい。それ故、まだ大きすぎる私たちに、それはなかなか見えて来ない。
◇小さなものに目を注ぐ神の御心が、人生と歴史を支配している。イエスはただそう言われるだけではなく、自らの歩みを通して神のご支配を完全に確立してくださった。それがイエスの十字架である。
◇万物の創り主である神は小さなものに目を留め、大切にされる方である。そして、御子イエスにおいて自ら小さくなられ、その十字架においてどん底にまで下ってくださり、私たちを下から支えてくださる神である。天地がひっくり返って、神のおられる天が私たちを下から支えてくださっている。それがイエスの十字架において実現した神のご支配である。その方を信頼して歩むことこそが、人生において求められている唯一の、しかも決定的に重要な事柄である。どこにいようと、何が起ころうと、神の支配が下から支えてくださっている。その事を確信しつつ、感謝して歩みたい。
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