2017/03/12
「主が見ていてくださる」- 受難節第2主日礼拝 -
ルカによる福音書5:1〜11
神学修士 鄭 なおみ
◇主は多くの群衆に神の国の福音を教えられます。そして、人々はその教えを聞きたいと主イエスの後を追い、イエス様は、その群衆に囲まれていました。多くの群衆が取り囲む中でも、主は、漁を終え、戻ってくる漁師の姿をご覧になりました。ヘトヘトになり、何も得られなかった漁から戻って来た漁師の姿をご覧になったのでした。
◇主は、この漁師に声をかけます。もう一度舟を出して欲しいと、そして漁をしなさいと。一晩中漁をし、帰って来た漁師に主は舟を貸して欲しい、そして漁をしてくれと頼まれる。今帰って来た、それも不漁で終わったこの漁師に対して主はおっしゃるのです。「網を下ろしなさい」
◇網を下ろすと主の力を見ます。大量に魚が獲れた。人間の力では出来ない事がここで起こります。そして疲れ、不漁を嘆くシモンの心は主への恐れと信頼に変わる。
◇心沈み、不漁を嘆き、自分の力を過信していたこのシモンは、主のこの奇跡を通して変えられます。自分の力ではなく、主の力を味わい、それを分かち合うものへと。
◇主は、多くの人々が押し寄せる中、このシモンを呼びました。2節のご覧になったという言葉は、心からその人を見たい、知りたいという言葉です。主は、シモンを見たいと願われ、知りたいと願われた。そして主は、大勢の中にあっても、このシモンを見られ、その心の重荷を知り、主が彼を癒してくださいました。どんな状況であろうと主は、人間の心を、思いを知りたいと願っていてくださる。
◇まさに、この混雑した世界にあっても、主は我々を愛の眼差しで見てくださり、その心を知ってくださり我々を祝したいと願われる。そしてその恵みを預かったものが、恵みを分かち合う者たちになるように、主が変えてくださっている。シモンはこの後、真の人生を主によって与えられます。彼は、主が主導される漁に参加すること許されました。人間をとる漁に。自分の能力でこの漁はできません。主に委ね、主に信頼し祈る。私たちの人生、主がいつも見ていてくださる。信頼し、恐れず歩み行きましょう。
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