2017/10/29
「興奮と驚きの神の義の発見」 -宗教改革記念日礼拝-
ローマの信徒への手紙3:21〜26
牧師 古屋 治雄
◇毎年10月31日をプロテスタント教会は宗教改革記念日として覚えています。特に今年はマルティン・ルターが「95箇条の提題」と言われる質問状を当時のカトリック教会に提出して500年という節目になり、たくさんの記念行事や記念出版がなされてきました。私たち福音主義教会に属する者はもちろん、当時ルターの質問を受け様々な対応をしてきたカトリックも、この歴史から教会の中だけのことでなく広く今日的視点からその意義を共に考えようとして取り組みがなされています。
◇当時ルターは、教会の発行した贖宥状(免罪符)を買い求めることによって本当に罪が赦されるのか苦悶していました。そしてその中から聖書の御言葉に新しく聞くことができました。「福音には、神の義が啓示されていますが、それは、初めから終わりまで信仰を通して実現されるのです」(ローマ1:17)。「ところが今や・・・神の義が示されました。すなわちイエス・キリストを信じることにより、信じる者すべてに与えられる神の義です」(同3:21-22)そしてルターは、そもそも自分の力で神の義を得ようとするのではなく、神の義は与えられるものであることを知らされたのでした。ルターはその喜びを「自分が生まれ変わったかのように、また開かれた門を通って天国そのものに入ったかのようにわたしに感じさせた」(「自伝的断片」)と喜びを表明しています。
◇ドイツ福音主義教会常議員会は、『義認と自由』という基調文書を出しました。その中で四つの言葉、「愛」「承認と評価」「赦し」「自由」を提示し現代的な宗教改革の意味を明らかにしています。これらは皆私たち人間社会の中で大切なことがらですが、しかし本当の意味で実現できていません。特に二番目に注目させられます。罪人であり、神から断罪されてしかるべき私たちがキリストの贖いゆえに神の前に認められているのです。ここには教会の枠を越えて、広く普遍的な意義が示されています。
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