礼拝説教

2018/12/2ー待降節第1主日礼拝ー

「救い主はろばに乗って」

マルコによる福音書11:1〜11
 牧師 古屋 治雄
 

◇クリスマスまでの一月間、イエス・キリストの御降誕を喜び待ち望む「アドヴェント」の日々が与えられている。神の御子イエス・キリストが、人となって、私たちの許に来てくださった。その「到来」を私たちは祝うのである。

◇イエス様がろばに乗ってエルサレムに入城された今日の場面は、私たちがイエス様をどういう方としてお迎えすることができるかという点で、クリスマスと深いつながりを持つ出来事である。

◇この出来事の背景には、ゼカリヤ書9章の預言がある。新しい王が、軍馬ではなく、ろばに乗ってエルサレムに入城し、平和の時代が到来することが預言されている。イエス様はこの預言を踏まえ、軍馬に象徴される戦や力とは無縁の王として入城されたのである。

◇しかし、群衆がそのことを正しく受け止められたかは疑問である。群衆は、ダビデの来たるべき国に祝福があるようにと大歓迎をしている。それはあたかも、軍馬に乗って力ある王が入城してきたかのように、受け止め期待する姿のように見える。

◇主の御降誕によって、神様の圧倒的な新しい出来事が臨もうとしている。しかも、このエルサレムにおいて、これから、一番大事な出来事が成し遂げられようとしている。しかし群衆は、神様の御計画を謙虚に受け止めることよりも、自分たちの期待に従い、喜び叫んだのである。

◇ではイエス様はどういう王であられるのか。イエス様は十字架の死を負われた。しかしその出来事は死で終わらず、父なる神様は死から引き上げてくださった。それは、イエス様が王として、いかなる地上の王とも違う形で、お立ちになった出来事なのである。

◇神様がイエス・キリストを通して、地上にまことの御支配を実現される。その御計画を、ろばに乗った主が担われ、私たちの許に来てくださった。私たちは主をお迎えし、クリスマスを共に喜び祝いたい。

(C) Asagaya Church, United Church of Christ in Japan, asagaya-church.com