2019/04/7ー受難節第5主日礼拝ー
「恵みの業をもたらす種を蒔け」- 新年度教会標語による説教 -
ホセア書10:11〜13
牧師 古屋 治雄
◇このホセア書の言葉を今年の教会の標語として、また個人の目標として私たちは歩む。この明確で積極的な標語は長老会が先だって決めた全体修養会のテーマ「救いの歴史に立つ阿佐ヶ谷教会、伝道力を復興しよう」に沿って選ばれた。今年度、阿佐ヶ谷教会が伝道をする教会としての働きを担おうとしており、聖書にある「福音の種を蒔く」と言う意味からも両者は深く結びついている。
◇イエス様も弟子たちを呼び集め、「福音を宣べ伝えなさい。収穫は多いが、働き手は少ない。」と言われた。私たちは収穫が本当に多いのだろうか、伝道が停滞している、と感じるかも知れないが、イエス様は当然のように言われた。私たちはこのホセア書の積極性の中に導き入れられている。
◇ホセアの時代に目を向けると、標語の言葉は10章の「イスラエルに臨む罰」という表題の箇所に含まれる。13節に「ところがお前たちは悪を耕し、不正を刈り入れ、欺きの実を食べた。」とあり、カナンの地にあった農耕の神バアルではなく自分たちの神を種まきにしても刈り入れにしても神とせよということである。ホセアは豊穣の神ではなく自分たちの神を本当の神としているかという深い問いかけをした。真の神に立ち返れとのホセアの深い警告であった。
◇イエス様は大事な弟子たちを近くに招いてエルサレムに入り、しっかりと十字架の出来事、甦りの姿をつぶさに見せようとされた。そして、その後の大事な役割を担って立つようにされた。それを理解しているか怪しい弟子たちのために信仰が無くならないように祈り、立ち直ったら兄弟達を力づけるようにとの言葉を残された。
◇2700年前、神様は間違った方向に向かっているイスラエルの民に、「愛の実りを刈り入れよ」と出来ていないことを命じられた。神様はもうおまえ達には出来ないとは言わず命じておられる。イエス様も弟子たちを見捨てず福音を告げ知らせる役割を託された。私たちも教会の歩みが弱く見えても、神様から愛の種まきと実りを刈り入れる役割を託されていることを覚え、創立100年の歴史に向かって歩みたい。
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