礼拝説教


2019/12/8—待降節第2主日礼拝—

「救いの約束を実現する神」

ルカによる福音書1:5〜20
牧師 古屋 治雄


◇クリスマスは特別な時である。聖夜讃美礼拝には多くの方が来られるが、忙しさのなかで心を静めてクリスマスを迎えたいという気持ちを持たれるのであろう。教会の外にもこのような気持ちを起こす、これがクリスマスの力である。

◇ザカリアとエリサベトという老夫婦が登場する。彼らはユダヤ社会の伝統を誠実に生きてきた夫婦であるが子供がなかった。ザカリアに天使が「あなたの願いは聞き入れられた。エリサベトは男の子を産む。ヨハネと名付けなさい。」と告げるが、彼は驚き、にわかに信じることができない。彼らは当時のユダヤ社会の代表的な人々であり、子どもがいない年老いた私たちはどうなるのか、神の民イスラエルは将来どうなるのかなどを気に病んでいた。

◇しかし、この神の言葉はザカリア夫婦だけのことではなく、「多くの子らを神に立ち帰らせる」という偉大な言葉であったことに私たちは気づく。クリスマスは旧約と新約を繋ぐ言葉である。ザカリアは「主は覚えていてくださった」という意味であり、ヨハネは「主は豊かな恵を注いでくださる」という意味である。

◇天使ガブリエルはザカリアにあなたはこのことが起こるまで口が利けなくなると告げた。それは「時が来れば実現するわたしの言葉」をザカリアが信じることができなかったからである。この言葉こそ「神の契約」を意味する。ザカリアはこの尊い神の計画に気づくことができなかった。彼を含め、私たちの不信仰を神が責められるなら、私たちは立つ瀬がない。

◇しかし「時が来れば実現するわたしの言葉」を神は実現に向けて、忍耐を持って進めておられる。その約束に聞くものが自分の罪の大きさに気付かされ悔い改め、神の導きの救いの中に入れられ感謝する。そういう人が一人でも多く生まれてくることを神様は待ち望んでおられる。今日に至るまで、神様は約束を自分の責任において貫徹してくださり、そのことを知ることが出来ない者に気付かせ、変えてくださり、招いてくださる。私たちはその恵みを新たに覚えて待降節の日々を感謝して歩みたい。

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