2020/05/24
「光の中の新しい掟」
ヨハネの手紙一2:7〜17
伝道師 上田充香子
◇ヨハネの手紙一は全体を通して愛を語る。「兄弟姉妹を愛しなさい」という命令を私たちはよく知っている。それでもつまずくことはある。「つまずき」は、「私がつまずく」場合と「他者をつまずかせる」場合の両方を含む。人は、その無知と傲慢のために他者を裁き、罪を犯し、他者をつまずかせる。しかし神様は、その私に対してくりかえし語りかけ、気づかせ、悔い改めさせ、赦し、立ち返らせてくださる。またそれができるのは神様だけなのである。
◇12節の「子たちよ」は、私たちを神の子としてくださる恵みの言葉である。続いて「イエスの名によって私たちの罪は赦されている」と語る。それはイエス・キリストが私たちの代わりに十字架に死んでくださり、しかし死に打ち勝ち復活してくださったことに根拠がある。13節以下は父たちに向けて、また若者たちにむけて呼びかけ、「あなたがたは、もう既に知らされている神の愛によって愛に生きることができる。」「あなたがたはすでに悪魔に勝っている。」と励ます。私たちは世と世の物に囲まれている。しかし世も、世から出る悪もすべて過ぎ去る。私たちはすでに神様のみ心を行う者とされているのだから、流されないし、惑わされない。聖書はこのことを確信させるのである。
◇「わたしがあなたがたに書いているのは、新しい掟ではなく、あなたがたが初めから受けていた古い掟です。」(7節)という言葉は「兄弟姉妹を愛せよ」という旧約以来の命令を新しく受け取り直しなさい、という意味である。イエス様が私たちを愛されたのだから、私たちも兄弟姉妹を愛するのである。それでも兄弟姉妹を憎んでしまうことはある。その時は神様に助けを祈ろう。助けを受けて兄弟姉妹のために祈ろう。その一歩から私たちは光の中を歩む者へ、神様の御心を行う者へ、永遠に生きる者へと押し出されていく。それは自分の力でできることではない。イエス様の力によってつまずきをのり越えさせていただくのである。それは、自らを死に追いやる罪の人間を愛し、友と呼んでくださるイエス様が、自らをささげ、私たちの罪を赦し、天に昇られた後も聖霊を通していつも私たちと共にいてくださるからである。
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