2020/08/2ー平和聖日礼拝ー
「福音は癒しの力を発揮する」
使徒言行録9:32〜43
牧師 古屋治雄
◇今日の聖書箇所にはペトロが癒しと死者を生き返らせた二つの奇跡の出来事が伝えられている。使徒言行録はイエス様が地上におられた時代のみならず、教会の時代になっても教会の指導者達によって福音が語られ、癒しの出来事が力強く繰り広げられていることをはっきりと伝えている。教会の歴史を担っている私達にとって、教会がイエス様と同じ癒しの出来事を担っているということをどう受け止めたらよいのか。
◇一番目の癒しの出来事はルカ5章に伝えられているイエス様がなさった奇跡に似ており、二番目のタビタが生き返らされた出来事もルカ8章に伝えられている出来事に似ているが、聖書は教会時代の奇跡の出来事をはっきりと告げている。教会の時代になったら伝道の形は違ってくるのではないかという思いを根本的に改めなければならない。
◇イエス様がもたらして下さった新しい恵みの御支配は、主が地上で働いて下さった時以上に、教会がその福音を担う時代になって一層はっきりと福音の力としてこの地上に発揮されている。今日の出来事はペトロによって起こったが、主イエスの力が注がれて起こったのであり、本当に働いて下さるのはイエス様ご自身であった。
◇病気も死も単に身体上のことだけではない。イエス様は十字架の死と甦りによって私達の全存在を身に受けて下さった。どのような人も神様が憐みを注ごうとしていて下さる人間であって、神様の恵みの中に生かされていることに気付くように神様が強力に働きかけて下さっているのである。
◇神様の癒しの力はその人を全人格的に癒す。聖書の中でその奇跡に与った人は自分が全く新しい人間として神様から癒されたことをはっきり知り、何にも代え難い喜びを与えられた。そして、この喜びは周りの人々を包み伝播する。
◇福音には全人格的に働く癒しの力がある。イエス・キリストの福音を知らされている私達は、神様の命に生き、死をも貫いて神様のものとされていることを伝える者となりたいと願う。
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