2020/11/8-降誕前第7主日礼拝-
「キリストを宣べ伝える旅」
使徒言行録12:20〜13:3
牧師 古屋 治雄
◇新型コロナの問題で教会の伝道が停滞しているように思えるかもしれないが、神様はこの時をも好機にして下さっている。配信される礼拝のメッセージを多くの人が視聴して下さって、広く福音を証する力となっている。
◇初代教会の人々は迫害を受けながらもイエス・キリストを語り伝えた。エルサレムを追われたが先々で福音の種が蒔かれた。12章ではヤコブが殺され、ペテロにも手が及んできたが、彼らは守られ、ヘロデは人間の思いの届かぬ力により急死したことが伝えられている。
◇13章以下でアンティオキアの教会のことが語られる。キリスト者という言葉が生まれ、様々な出身の人々の中からいろいろな専門的役割を担う者が出てきたが、彼らはキリストにあって一つとされた者たちであった。その群れの中からバルナバとサウロの二人が聖霊により選ばれ、宣教の旅に発つ様子が語られる。二人は断食と祈りによりアンティオキアから送り出された。
◇日本にプロテスタント信仰を伝えるため海を渡ってきた宣教師の働きは、初代教会の伝道に近いものがある。未だイエス・キリストを聞いたことのない人々に福音を宣べ伝えたのである。すべての教会が伝道によって福音の種を蒔かれて始まった現実を思い起こすとき、私たちは宣教の旅に出発した人々の伝道の歴史を忘れてはならない。
◇教会の内部充実は信仰を強め足腰を鍛える意味がある。内部充実を図った上で外部へ伝道しようという考え方がある。他方で、そのようなことは気にせず外部へ伝道しようという考えもある。しかし、二人は生活と信仰の結びついた熱心な断食と祈りをもって送り出された。内部充実と外部伝道を一体にした伝道の姿を私たちはアンティオキアから学ぶ。
◇パウロは私たちの国籍は天にあると言った。私たちは神様の大きな救いの歴史の中に置かれており、その生活は天国に迎えられる旅である。アンティオキアでのように熱心に祈られて主に導かれ、イエス・キリストを証しながら、再臨の時を、天の故郷を、熱望して歩む者である。
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