礼拝説教


2021/05/02

「逃げ出さない囚人」

使徒言行録16:25〜40
牧師 古屋 治雄


◇新しい地にもたらされた福音を信じて生きようとする人が生まれると必ずと言ってもよいが、今までの生活に慣れ親しんでいる人々に混乱を生み出す者と決めつけられ、力ある福音を押さえ込むために容赦ない暴力が振るわれる。今日の聖書では、まさに神の御支配を信じ、福音を語るパウロとシラスが鞭打たれ、牢に捕らえられて足枷まではめられたにもかかわらず、彼らは真夜中に賛美を歌い、祈っていた。

◇そして信じられないことが起こった。大地震が起こり牢の戸がみな開き、囚人たちを縛っている鎖がすべて解かれたのだ。この牢の看守は囚人たちが逃げ出したと思い込み、自害しようとした。当時囚人が逃げた場合、看守はその罪の肩代わりをしなければならなかった。パウロは看守の自害を制止した。

◇パウロたちが逃げ出さないことを不思議に思った看守は、人間の思いを超える神様の働きにふれたのである。看守はパウロとシラスの前に震えながらひれ伏し、「先生方、救われるためにはどうすべきでしょうか。」と尋ねた。パウロはフィリピに来た目的、奴隷が解放された出来事、看守の命が守られたことがどこから発せられているのかをはっきりと、「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたも家族も救われます。」と答えた。

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