2021/12/12ー待降節第3主日ー
「闇に住む人を救い出す主」
イザヤ書42:1〜9
牧師 古屋 治雄
◇一番初めにまとめられたマルコ福音書にはマタイやルカのようなクリスマスの出来事は伝えられていないが、主イエスの到来は神様の栄光(光、輝き)が到来した出来事であることを語っている。マタイではお働きが開始されるガリラヤ伝道でイザヤ書8,9章を引用して語られ、そのお働き全体が希望であることを伝えている。また、ルカの福音書ではザカリアが神様の光は神様の憐みであることを証しし、ヨハネ福音書はその光は神様の恵みと真実を示していると伝えている。4つの福音書の伝え方は同じではないが、イエス様のご降誕によって私たちは闇から神様の光の中に生きるものとされている。
◇今、生きる希望を失い、悲惨な出来事を引き起こしてしまった事件が報じられている。これが世の中の現実だという思いに馴染んでしまうと、もはや闇の中にいるという自覚は薄らぎ、これが普通だと思ってしまう。しかし、私たちは考えを改めなければならない。すべてに先だって「光あれ」とお命じになって世界を創造し、歴史を始めてくださった神様が、この世界に新たに御子イエス・キリストを送ってくださり神様の光を注いでくださっているのである。
◇クリスマスに登場した人々やイエス様と出会うことのできた人々はその光に照らし出されて神様の光を知り、そこから神様の光を私たちに証ししている。クリスマスの出来事を伝えている信仰者たちは、神の民の歴史の中に登場した預言者の800年前の言葉を発見し、クリスマスの出来事が神様の恵みによる光の出来事であることを知った。
◇今日の聖書箇所では、バビロンに捕らえられ、異郷の地で50年も空しく生きる神の民を、神様は「主の僕」を立てくださり、死から命へと贖い出して下さると第二イザヤが預言した。クリスマスを通してイエス・キリストを与えられた民はイザヤの預言が実現したと信じ、その預言はイエス・キリストを指し示していると宣言している。聖書を通してこの光について聞いている私たちはこの光の中に生かされていることを喜び、イエス様を知らない人々へこの喜びを発信していきたい。
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